【簿記の概要2】簿記一巡の手続きをやさしく解説!

簿記3級
この記事は約3分で読めます。

簿記を学び始めるとよく出てくる言葉「簿記一巡の手続き」。これは、企業の取引を記録し、整理して、最終的に財務諸表を作成するまでの一連の流れを指します。今回は、初心者の方でも理解しやすいように、簿記一巡の手続きの各ステップを詳しく解説します。簿記の基礎をしっかりと押さえましょう!

簿記一巡の手続きとは?

簿記一巡の手続きとは、取引の発生から帳簿の締め切り、財務諸表の作成までの流れを指します。主に以下の7つのステップで構成されています:

  1. 取引の発生: 経済活動によって取引が発生します。
  2. 仕訳の記録: 取引を仕訳帳に記録します。
  3. 総勘定元帳への転記: 仕訳帳から総勘定元帳に転記します。
  4. 試算表の作成: 帳簿が正しいかを確認するため、試算表を作成します。
  5. 決算整理: 期末に必要な調整を行います。
  6. 財務諸表の作成: 最終的に貸借対照表や損益計算書を作成します。
  7. 帳簿の締め切り: 帳簿を締めて次期に繰り越します。

これらの手続きが終わると、次の会計期間に進む準備が整います。

簿記一巡の手続きを詳しく解説

1. 取引の発生

取引は、企業が経済活動を行う中で発生します。例として、以下のような取引が挙げられます:

  • 商品を販売して現金を受け取った。
  • 商品を仕入れて代金を後払いした。
  • 銀行から借入をして現金を受け取った。

このような取引が発生した際に、それを記録するのが簿記のスタートです。

2. 仕訳の記録

取引が発生したら、仕訳帳に記録します。仕訳では、「借方」と「貸方」に分けて記録するのがポイントです。

例えば、10,000円の商品を現金で購入した場合、以下のように仕訳を行います:

  • 借方:仕入 10,000円
  • 貸方:現金 10,000円

このように取引内容を数字で整理して記録するのが仕訳です。

3. 総勘定元帳への転記

仕訳帳に記録した内容を「総勘定元帳」に転記します。総勘定元帳とは、勘定科目ごとに取引を整理する帳簿です。

例えば、先ほどの仕訳を元帳に転記すると以下のようになります:

  • 仕入勘定:借方 10,000円
  • 現金勘定:貸方 10,000円

これによって、勘定科目ごとの取引状況がわかりやすくなります。

4. 試算表の作成

仕訳が正確に行われているかを確認するため、「試算表」を作成します。試算表は、すべての勘定科目の借方と貸方の合計額を一覧表にまとめたものです。

借方と貸方の合計が一致すれば、仕訳の記録が正しく行われていることが確認できます。

5. 決算整理

決算期末には、いくつかの調整が必要です。これを「決算整理」と呼びます。具体例として、以下の処理が行われます:

  • 固定資産の減価償却費の計上
  • 未払費用や未収収益の計上
  • 棚卸資産の在庫調整

これにより、正確な財務諸表を作成する準備が整います。

6. 財務諸表の作成

決算整理後のデータをもとに、以下の財務諸表を作成します:

  • 貸借対照表(B/S):企業の資産、負債、純資産をまとめた表
  • 損益計算書(P/L):一定期間の収益と費用、最終的な利益をまとめた表

これにより、企業の財務状況が明確になります。

7. 帳簿の締め切り

最後に、帳簿を締めて、次の会計期間に繰り越します。この作業を「帳簿の締め切り」と呼びます。

これで簿記一巡の手続きが完了し、次期のスタートを切る準備が整います。

まとめ

簿記一巡の手続きは、簿記を学ぶ上で非常に重要な基礎知識です。取引の記録から財務諸表の作成までの流れをしっかりと押さえることで、簿記への理解が深まります。初心者の方は、まずは各ステップを順を追って確認し、実際に練習してみることをおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました