企業間の取引では「手形取引」が頻繁に利用されます。特に「約束手形」は、支払いや受取に使われる重要な決済手段の一つです。本記事では、約束手形の仕組みや会計処理について初心者向けに詳しく解説します。仕訳例も紹介するので、ぜひ参考にしてください!
約束手形とは?
約束手形(Promissory Note)とは、「一定の期日までに指定の金額を支払うことを約束する証書」のことです。主に企業間取引で用いられ、信用取引の一環として機能します。
約束手形の特徴
約束手形には以下の特徴があります:
- 支払期日が決まっている:受取人(売主)は、記載された期日まで待つことで代金を受け取ることができる。
- 信用取引の一種:発行企業(買主)は、実際の資金がなくても商品を仕入れ、後で支払うことが可能。
- 割引が可能:受取手形は、期日前に銀行で「割引」して現金化することもできる。
約束手形の流れ
約束手形の取引は、次のような流れで行われます。
- 売主が買主に商品を販売し、代金の代わりに約束手形を受け取る。
- 買主は、約束手形に記載された支払期日に手形の代金を銀行へ支払う。
- 売主は、支払期日まで手形を保有するか、銀行で割引して現金化することができる。
約束手形の仕訳例
約束手形に関する仕訳例を以下に示します。
取引内容 | 借方 | 貸方 |
---|---|---|
商品100,000円を販売し、代金として約束手形を受け取った | 受取手形 100,000円 | 売上 100,000円 |
約束手形を銀行で割引し、手数料2,000円を差し引かれて入金 | 普通預金 98,000円 | 受取手形 100,000円 支払手数料 2,000円 |
約束手形の支払期日に、代金を銀行へ支払った | 支払手形 100,000円 | 普通預金 100,000円 |
約束手形のメリットとデメリット
約束手形には以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
- 資金繰りを調整しやすい:即時の現金支払いが不要で、支払期日までに資金を準備できる。
- 銀行で現金化可能:受取手形は、銀行で割引して早期に現金化することができる。
デメリット
- 不渡りのリスク:買主が期日までに資金を準備できなかった場合、手形が不渡りとなる可能性がある。
- 手形割引のコスト:銀行で手形を割引する場合、一定の手数料がかかる。
まとめ
この記事では、約束手形の仕組みや仕訳について解説しました。
- 約束手形:一定の期日に指定の金額を支払うことを約束する証書。
- 会計処理:受取時、割引時、支払時それぞれで適切な仕訳を行う。
- メリット・デメリット:資金繰りの調整が可能だが、不渡りリスクや割引手数料に注意が必要。
手形取引の基本を理解し、正確な記帳を心がけましょう!